こころの花

そびえる山の前で
夏の海の横で
けなげに息する
小さなものに心を寄せて

見上げた青い空に
過ぎる雲が笑う
やさしくたたずむ
大きなものに心を寄せて

明日が辛いとうつむけば
足元に咲く赤い花

手を差し出し
すぐに姿を消す
大事なものを胸に残して
時に消えぬ こころの花を
ひとつ残して

火を吹く山で出会う
割れた海で出会う
涙で汚れる
小さな顔に心を寄せて

暗い夜空に映る
光る星が燃える
次第に近づく
大きな月に心を寄せて

打ちつけ降る雨
洗い出し吹き込む風を鳴らし生まれてくる
染み透る体ごと空を見上げてる
いつまでも いつまでも

そびえる山の前で
夏の海の横で
けなげに息する
小さなものに心を寄せて

我慢で体を丸めれば
目の前に咲く青い花
明日が辛いとうつむけば
足元に咲く赤い花

目に涙をためてこらえている
終わり近づく祭りの中
誰かの声が聞こえてくる
誰かのためになりたい歌を歌って
こころの花をひとつ残して
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