夢待草

冬にお米を研ぐ時は
指も心も凍ります
寒い季節が来るたびに
母は体をこわしてました
まだあどけない妹と
折り鶴をそっと折りながら
あやまるばかりの母でした

もっと淋しい人がいる
もっとかなしい人がいる
夢待ち草の花が咲く
その日がいつか来るまでは

もしもこの場に父さんの
笑顔がひとつあったなら
他になんにも要らないと
思うばかりの夕食でした
眠れない夜は妹と
父さんの星と名付けてる
オリオンの星をみつめてた

もっと淋しい人がいる
もっとかなしい人がいる
夢待ち草の花が咲く
その日がいつか来るまでは
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