オホーツクの海

蒼いうねりも 汐鳴りも
消えて沖行く 船もない
見渡すかぎり 流氷の
身を切るような 風が吹く
ああ オホーツクの春の海

砂に埋もれて 朽ち果てた
遠い昔の 忘れ船
二人が語る 船べりに
浜茄子そっと 咲いていた
ああ オホーツクの夏の海

可愛い瞳が すずらんに
どこかにていた おさげ髪
愁いを染める 夕空に
上りの汽車も 消えてゆく
ああ オホーツクの秋の海

春を舞うには まだ早い
つばさ淋しい ゴメの群れ
啼いては消える 流氷の
とどろき光る 岩かげよ
ああ オホーツクの冬の海
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