夏のまぼろし feat.ま に こ

夏のまぼろし。
あの頃よりも僕は強くなれてるかな。

午後の在来線は席もまばらに空いていて、
燻んだ日除けから漏れた光が影を作る。

ひとつに束ねた髪と真っ白なスニーカー。
部活帰りの笑い声、響いてる。

夏のまぼろし。
あの頃のように僕は上手く笑えてるかな。

夏のまぼろし。
あの頃よりも僕は強くなれてるかな。

駅に着くと辺りはもう薄暗くなっていて、
今年もまた夏が 夏が終わることを知った。

汚れた水溜まりが映した燈(ともしび)。
不思議なほど透明で澄んでいた。

夢はまぼろし。
あの頃よりも僕は前に進めてるかな。

夢はまぼろし。
あの頃、聴いてた歌をそっと口ずさんだ。

夏のまぼろし。
あの頃よりも僕は強くなれてるかな。
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