桜流星群

何がいけなかったのかな、自問自答を繰り返して。
ふたり聴いてたこの歌を 君はひとりで聴いている。

あたたかい日がずっと続いてたから、
“東京の桜は散り始めてる” とニュースで言ってた。

去年と同じような桜の木の下で、
君はひとりきり涙をこらえて。
さよならの意味さえ 分からないまんまで、
季節だけがそっと過ぎた。

春めく桜公園は 家族連れで賑わっている。

穏やかな陽射しに包まれながら、
その胸の痛みは ふたり過ごした証になった。

桜の色をした大きなマフラーで、
君は顔かくして泣いていたんだね。
壊れそうな思いと小さなプライドを、
胸の中にそっとしまって。

去年と同じような桜の木の下で、
去年とは違う春風に吹かれて。
散ってもまた咲く桜の花のように、
強くありたいと願った。
×