君という雨

君が壊した世界だ。
雨音、ポツリポツリ、
今日も傘と歌う。

『僕が居ない』と思うこの心は
誰のもの?
君が居ないとこの身体は
傘の中で消える。

何から話そうか。
自分一人を守る傘が無いと
窒息するこの世界で。

拡げた僕だけの傘
黒く塗り潰したんだ。
世界とのキリトリセン
聴こえる傘と雨の歌。
言葉は見えなくなるから
心は変わってしまうから
僕は居なくなってしまうから
今日も『さよなら』

気付いたんだ
世界を濡らす雨に触れていないと
居ないのと同じで
傘の内側、逃げ込んだ僕を
濡らす雨の名前が、ようやくわかったんだよ。

君が汚した世界だ。
透明な空気だった僕は君と
傘の中で歌うよ。
『さよなら』
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