浜辺にて

あなたの髪に触れるように
風の中に迷い込んで目を閉じてみる
揺らめく波にあなたを呼んだ
しまわないで隠さないで
そっとしてみる

砂に書いた文字ひとつ
見えないな
さざ波に消えていく
足跡みたい

遠くに光がみえてきたんだ
それがきっと
あなたの優しさなんだな

ひたひたになる
薄曇りの空
わたしは今ここにいて
なにを信じよう

砂に書いた文字ふたつ
消えないで
同じ波は来ないと風がつぶやく

遠くにあなたがみえてきたんだ
そしてゆっくり
抱きしめて笑いあう

変わっていくと教えてもらった日から
今日の波に
幾度夢を見たのだろうか
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