筑波の寛太郎

筑波颪(つくばおろし)を 合羽(かっぱ)でよけて
肌でぬくめた お六櫛(ろくぐし)
笠に一輪 竜胆(りんどう)挿(さ)して
赤い夕陽に 背を向ける
ツンツン筑波の寛太郎
エエー 忍び泣き

筑波山(つくばやま)にも 男体女体(なんたいにょたい)
凛と流れる 男女川(みなのがわ)
福来(ふくれ)みかんの 酸っぱさ甘さ
愛しおみよの 味がする
ツンツン筑波の寛太郎
エエー 月しぐれ

西に富士なら 東に筑波(つくば)
頬(ほほ)に風花(かざはな) 三度笠
ガマの油で なおらぬものは
脛(すね)に傷持つ 親不孝
ツンツン筑波の寛太郎
エエー どこへ行く
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