琵琶湖周航の歌

我れは海の子 さすらいの
旅に死あれば しみじみと
のぼるさぎりや さざ波の
志賀の都よ いざさらば

松は緑に 砂白き
雄松ヶ里の 処女子らは
赤い椿の 森蔭に
はかない恋に 泣くとかや

波のまにまに 漂えば
赤い漁火 懐しみ
行方定めぬ 波枕
今日は今津か 長浜か
×