秋草の歌

うつくしき君 ただひとり
影をうつして丸窓に
読むは源氏の 須磨の巻
秋雨にこぼれ散る 萩の花
ああ 秋草の花のやさしさ

撫子あかき 河原路
水に尾をひく せきれいを
染めて夕日の 沈むとき
いずこ行く 旅の子の菅の笠
ああ 秋草の花のさみしさ
×