母がわたしを語るとき

母がわたしを語るとき 笑顔なしでは語れない
愛しくて愛しくて ただそれだけの人だから
母が昔を語るとき 涙なしでは語れない
悲しくて嬉しくって 同じ話をくり返す
あなたの子として この世に生まれ
あなたの愛が 支えてくれた
母がすっかり年老いて
今朝の食事も忘れるか
それなのに それなのに 今も私を案じてる

母が時々口ずさむ 歌は自分の応援歌
辛くても辛くても そうして母は生きてきた
あなたの子として この世に生まれ
あなたの愛が 支えてくれた
母が作った手料理は
幼い頃の味がする
何よりも 何よりも美味しかったと手を合わす

母がわたしを語るとき 泣いて笑ってまた泣いて
愛しくて 愛しくて ただそれだけの母だから
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