ゆふたひ

沈黙が 聞こえている
透明が 顕れている

損なわれてゆく君は
不在を迎えてしまった 空き箱みたいだ

失われてゆく君を見ていた
容れ物としての 空白だった

君の煩悩
僕の本能
犯したのです
繋いだのです

沈黙に 耳を澄ます
透明に 目を凝らす

損なわれつづけたあとに
残されるべきなのは 僕の方だった

失われつづけたあとに知った
不在だったのは 僕の方だった

君の願望
僕の欲望
産まれたのです
名づけたのです

君の煩悩
僕の本能
夢の中
果たしたのです
×