かくれんぼ

ふと外を眺める 雲の流れ
昨日よりもちょっと早め
身支度済ませ家を離れる
たまに眺める 街の流れ
今日も買い物あのじいちゃんばあちゃんは手繋いで
電話片手おっちゃん頭下げて切ないね
汚れた作業着の兄ちゃんと笑顔のお客さん
母ちゃんの肩揉む小さな手
疲れも飛んでなくなる
行ってきます 行ってらっしゃい
ただいま お帰りなさい
頂きます ご馳走さま
こんにちわ こんばんわ
ごめんね ありがとう
をまた言わせてくれることにありがとうな
明日もまた笑い合おうな
…て今日はもう布団に顔隠し
おはようって言うためのおやすみ

これまで何度言っただろう
どれだけの人に言えただろう
あの時もらった分は今も
まだ返せてないから

これから何度言うのだろう
どれだけの人に言えるだろう
何もないような日々でさえも
“ありがとう”は隠れてるから

朝起きたら飯がそこにあって
脱ぎ捨ててた服は畳んであって
並びあってるコーヒーカップ
いつも言えなくてごめん...『ありがとうな』
犬の散歩なのにお洒落
してこっちの服の方が良いよなんて
言い合ってる 俺らを待ってる犬の方が苛立ってる
海辺の道歩き上機嫌
なにもかもがいつも通りで
俺のかけるプレイリストに君の
鼻歌も混じりBGMになるのさ
はしゃぎすぎると
俺に怒られる しゅんとしてる犬
ここまでがいつものデフォルト
明日も同じ道を歩こうよ

これまで何度言っただろう
どれだけの人に言えただろう
あの時もらった分は今も
まだ返せてないから

これから何度言うのだろう
どれだけの人に言えるだろう
何もないような日々でさえも
“ありがとう”は隠れてるから

ずっとあなたという優しさの中
ひねくれた私を愛してくれた
けどもうあなたに言えないから
その分これからは“ありがとう”って多くの人に言おう

子供からオレらも大人になって
見えてたものも見えなくなって
教えるはずが教わったり
ほんの些細な事だったり
もらった分を与えるんじゃなくて
ありのままの言葉で話す
その一言で何度救われたろう 何度報われたろう

これまで何度言っただろう
どれだけの人に言えただろう
あの時もらった分は今も
まだ返せてないから

これから何度言うのだろう
どれだけの人に言えるだろう
何もないような日々でさえも
“ありがとう”は隠れてるから
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