冬の蠅

悔悟の念も虚空に去って
揺れる視界 遠くに今霞んで
喉伝って流れる道理
帰路つく少年の騒ぐ声あたり響いて

狂気の沙汰に及んだ人殺しって訳じゃない
宙を舞った蝿の羽音を払う午後3時

陽の当たる窓にもたげて 煙に巻いてしまわないか
夢中で走るだけの 霧中で構わなくて
後退りする余裕などないから

身を焦がす程に足宛いて 命燃やしてくれないか
美学とかじゃなくて 優しさとかじゃなくて
あなたが持てる少しでもいいから

陽の当たる窓から見えた 綺麗とも言えない景色
夢中に走り出して 霧中の先に見えた
後退りするつもりなどないから
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