まぼろし

終わりない闇夜の街のドライヴから
救いだしてくれたお前だったのに
秋風が俺の体を冷やすと
どこを探してもいないお前の影
俺は一人 冬に向かって走っていた

ミラー・ボールはまわり 目もくらむ部屋で
躍る自分の影を殴る俺がいた
のどの渇きは胸のほてりから
いやしてくれるお前はどこに
気がついたところは同じ夜の街

全てを飛ばす風は地平線のかなたから
今日も吹きつける闇空をぬけて
この悲しみ溶かしこみ運び去っておくれ

お前のまぼろしはいつも俺を見つけ
古い映画のように頭をかけめぐる
果てしない時のかなたから響く
天使と悪魔のささやきのように
俺の胸を引き上げ 引きずり落とすのさ
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