スモーキー・ジョーのカフェ

或る日スモーキー・ジョーのカフェでボーッと
豆の食事をしていたところ
一人のナオンが店にはいってきた
この辺じゃ見たこともないようなベッピンで
特にこんなところじゃ考えられないほど
いかした娘だった
ところがなんとそのこがオイラのとなりに
こしかけたから たまげたもんだ

ひざもふれんばかりに座るものだから
オイラの背筋はゾゾー
あまーい香水の香りと色っぽい笑顔で
オイラの心臓はのどから飛びだしそうだった
で、店に座ってた客は皆してオイラに
こう云ったもんだ
「気いつけた方がいいよ。その女は
スモーキー・ジョーのイロさ。」

するとカウンターの奥からコックすがたの
大男が手に庖丁もってギロリとにらんだ
ズカズカと近づくと
オイラの首ねっこつかんでこう云った
「豆たいらげて とっととうせろい。」

あの娘とはもう二度と会えないだろうけど
あんなところじゃ絶対に食うもんか
ジム亭かジャック屋か
ジョージア・ジーンのところで
チリ・ビーンズでも食ってるほうがましさ
だれがあんな気違い
スモーキー・ジョーのところで
食う気なんか起こるもんかね
なあ おい そうだろう
ウー ウー ム
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