ひとつのドア

これ以上言葉を重ねることはやめようと
「言い訳はしたくない」という言い訳になるなら
忘れたころの返信で
背中押され走り出す
違う明日
両側からひとつの
同じドア僕らは手を伸ばした
駆け抜ける時は過ぎ去っていても
同じ想いがあるなら
握ったこの手は離しはしない
表情も無く
占い師の前に何度も立っては
ありもしない違う悩みを創作し続けた
忘れたころの返信は
そんな僕に気付かせる
違う明日
二つに分けるドアの
鍵は無い
それでも手を伸ばした
駆け抜ける時は過ぎ去っていても
まだその先が見えるなら
握ったこの手は離しはしない
役目を終えるアドレスを捨てて
解け合うその時を待って
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