黒蜜

あたしの名は? 切り捨てては涙
霧の果てに今は愛しい
果実の様な丸みをおびていては
露の果てに噛み砕かれ

墨の様な夜ふけのシャワー
苦悩の先に意味などないわ
吸い付く様に嗚呼やってくる
オスという人種よ

見上げると小さな青い空
これが全てか これが全てか…

宙を忍ぶ時間泥棒
黒い街にダイヤの灯り
手をのばしても触らせてくれない
嗚呼砂のお城よ

鳥の様な羽を付けても
果たしてどこに飛び立てばいい
巣を手にしても壊されてしまう
記憶という痛みに
最後に残るのはいつもあたしで
嗚呼砂の現実よ

あたしの名は? 咲き乱れた後は
戻れはしない 名を捨てても
三途の川 裁きは後にして
最後は甘い 蜜に溺れて
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