たんぽぽ

十二月はもう息が白く 寒さに弱い僕は身を縮めて
買ったばかりの缶コーヒーが湯気を立てて窓をくもらせる
遠く離れた君の名前を人差し指でガラスに書いて
流れてゆく字が想い出のように消えてゆくのが恐かった

遠い空 離れてゆく想い 季節だけが過ぎてゆく
今はもう 写真を見ても君の顔が思い出せないけれど

きっと明日になれば僕はたんぽぽの種になって
そっと君を迎えにゆくよ
だから君は窓をあけて僕を探し当ててね
必ず手のひらに飛んでゆくから

君の瞳は誰を見てるの? 今は誰の腕の中
若い僕はまだ大人になれず 不安を君のせいにした

信じるのは難しいね はかなさだけがこぼれてく
今では君からの電話 待つことしか出来ないでいるけれど

きっと明日になれば僕は孤独すら味方にする
そして現在と向き合うよ
だから君も忘れないで 想い出にしないでね
必ず長い冬を変えてみせるよ

きっと明日になれば僕はたんぽぽの種になって
そっと君を迎えにゆくよ
だから君は窓をあけて僕を探し当ててね
必ず手のひらに飛んでゆくから
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