追憶

夜更の雨 追憶 鏡の中 ゆらゆら
在りし日の夏 あなたに贈られたピアスが

まつ毛濡らす追憶 グラス 氷 ゆらゆら
この部屋にまだ行き交う ぬくもりを集めて

ゆらゆら もう一度だけ 晴れた朝に眠そうに
白いシャツ はおり あなた微笑って
雨の夜にそのソファーで寄り添えば
肩を抱く あなたがまだぬぐえずに

接吻けていた追憶 微熱(ねつ)を帯びてゆらゆら
在りし日の夏 あなたと 見つめていた未来が

ゆらゆら もう一度だけ 逢えるならばと
遺された 白いシャツ 頬を寄せてみるの
あなた 遺したわ ライター
祝う夜にキャンドルに炎を灯すこともないのに
夜更に雨 追憶 まつ毛濡らす追憶
ゆらゆら ゆらゆら
×