嘘と地図

そよ風 揺れるワンピース 見つめていたあの頃
陽射しが透けていくよう 白が似合う憧憬

瞳の奥には切ない恋する光
毎日の思い出のひとつひとつが まだ降り積もる

あなたのためと僕がついた嘘は ひとひらの刃で
だれかを守ることもしないで ただ心を傷つけている
あなたのために僕が描いた地図は 導くこともせず
道を誤らせるばかりだと ひとり手を見る

故郷 訪れるたび 思い起こす情景
岸辺に溶けていくよう 青が滲む空閨(くうけい)

瞼の奥には涙を愛する夜闇
過ぎし日の思い出のひとつひとつが 今甦る

あなたのためと僕がついた嘘は 本当の言葉で
だれかをかばうこともしないで ただ心に突き刺さるだけ
あなたのために僕が描いた地図は 色褪せて消えゆく
明日(あす)が見えないこの苦しみよ ひとり夢見る

孤独な夜ほど あなたを あなたを想うことはないということ
記憶の奥底に佇む 二度と還らぬ

あなたのためと僕がついた嘘は ひとひらの刃で
だれかを守ることもしないで ただ心を傷つけている
あなたのために僕が描いた地図は 導くこともせず
道を誤らせるばかりだと ひとり手を見る
ひとり夢見る
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