まなざし

この緩やかな坂がスタート
ブレーキ握らず下ったのなら
砂混じりの痛い風が
季節ごと俺を巻き上げるだろう
幸せな錯覚の後で
君の目は大きな力を得た
さむしい隙間を埋めるとき
ここは震えるくらいに辺鄙だった
初めての温度に抱かれたまま
友達も恋人もすぐに忘れるさ

君が持ってるまなざし
簡単には奪えない
君が持ってるまなざし
明日も僕を続けなきゃいけない理由だよ

逆行し続けるこの坂を
いつからか避けて歩いている
吸い込まれそうなビルの影を
塗り潰しながら歩いている
人間の一生はあっという間なんて
この手触りを知った奴は歌わないぜ

君が持ってるまなざし
簡単には奪えない
君が持ってるまなざし
明日も僕を続けなきゃ

愛をちょうだい
僕らの間に
神秘的で無意味なほど強い
愛をちょうだい
とろけちまうような
骨の髄まで
とろけちまうような
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