島の入江に 雨がふる
なごりの春の 日の昏れを
うすいえにしの 虹かけて
銀の絲(いと)ひく 雨がふる

虹のうしろに 浮いてでる
あの娘のやせた うしろ影
人の噂も 跫音(あしおと)も
絶えてきこえぬ 国恋し

読んで呉れるか この手紙
いまさら出せる 義理じゃない
紅い切手を 貼(は)る手さえ
ほそく震える なさけなさ

俺のこころに 雨がふる
入江の磯の 白砂に
恋のおわりを しとしとと
離れ小島の 雨がふる
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