LITMUS

誰より深く
わたしを知っていた
あなたにだけ言えない
秘密がある

重なり合えど
赦されちゃいけない
この躰に潜んだ
魔物が笑う

想えば想うほど隠れてしまう
いつぞやの朧月の背中へと
そこにあなたの手が触れる未来を
待つことがどれほどまで危ういか

誰より深く
わたしを知っていた
あなたにだけ言えない
秘密がある

その手を その目を
その輝きをそのままに
別れも告げずに
離れてしまえたらいいのに

おのれ
どれほどあなたを想っていても
リトマスの紙は翳せないまま
わたしはそれでも
あなたの側に居てしまう

何も言わずに
何も触れずに
全て透かされているかのような夜だ

そんなあなたの目に宿る光を
止め処なく それとなく
抱きとめる

その手を その目を
その輝きをそのままに
別れも告げずに
離れてしまえたらいいのに

その手に その目に
残るわたしをそのままに
あなたの全てを
忘れてしまえたらいいのに

おのれ
これまで流れた涙はどれも
リトマスの紙に翳せないまま
わたしはそれでも
あなたの側に居てしまう

嘘はついていない
本当にも触れない
あなたにだけ言えない
秘密がある
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