絡メル

ほろ苦い香りに誘われて
迷い込んだおとぎの国
遠くで君が振り向いて笑った
これがたぶん大人の味

今だよ 早くこっちにおいで
見惚れることしかできなかった
憂いの形をした陽炎は
夕暮れに消えてしまった

熱が覚めたら姿を変えて 指すり抜けた
この砂みたいに もしも全部
触れてはいけない願いなら

絡まって 絡メル
ああ 瞳の海に溺れて
ねえどうして 焦がれる
ただ 熱く胸の奥

絡まって 絡メル
ああ 火照らされて夢うつつ
ねえどうして 焦がれる
また 夜が溶けてゆく
ああ ほろ苦いな

今だよ 早くこっちにおいで
いたずらに影を揺らした
空色に僕を染めた陽炎は
夕暮れに消えてしまった

今日も触れたくて 傷ついて彷徨って
名前を呼ぶ声
乾いた心の向こうに 響いてくだけ

どうやって見つめる
掴めない君の香り
隣に来て囁いて
そっとメランコリックに

絡まって 絡メル
ああ 瞳の海に溺れて
ねえどうして 焦がれる
ただ 熱く胸の奥

絡まって 絡メル
ああ 火照らされて夢うつつ
ねえどうして 焦がれる
また 夜が溶けてゆく
甘い記憶は絡メル
ああ ほろ苦いな
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