ブラフ

遠く懐かしく思えた
淡い日々が瞼に映る
叫び出したいくらいの不安を
来たるべき日々の希望に隠して

褪せた約束の数だけ
また僕は歳を重ねた
全て守ってみせるよ
全部全部守ってみせるから

夢見た場所ならばどこかにきっとあるさと
震える君の手を強く強く握りしめた

宛てもない涙は瞼を不意に飛び越えて
あぁ、無邪気な忘れ物はそっと
忘れたままで

夜遊びもいやらしい扉も
その背中だけが輝いて見えた
追い越せばそれは図々しい顔で
当たり前に居座って動かない

茜刺すこの街は居心地が良すぎて
ふいに怖くなって君の名を呟いてみた

大きく見えたはずの背中は今じゃ恋しくて
さぁ、手を引くあなたを待たずに僕は
旅に出るよ

もうじき風は吹きあたりに白い花が咲く
ねぇ、一緒に行こうだなんていえる
はずもないや
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