CHAT NOIR

俺が19の時 あいつに会って
何も考えずに 暮し始めた
世間じゃ暗いニュースばかり目立ったけれど
二人には夢のような たのしい時だった

朝日のあたる家 捜し求めて
まじめな仕事もしてはみたけど
すぐに腹の虫がさわいで けんかばかり
まるでコロコロ転がる石さ俺は

どしゃぶりの雨 濡れた黒猫
夜のすきまから 消えちまったあいつ
ある日突然に

ニーナ・シモンが大好きな女だった
黒いサテンのドレスが まぶしく見えたものさ

どしゃぶりの雨 濡れた黒猫
夜のすきまから 消えたあいつ

帰るとこなど 俺にはないさ
幸福という名の傷跡だけが残っただけ
あとは何もありゃしない
まるで転がる石さ俺は
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