花衣

男ごころの 狭間(はざま)に咲いた
おんな友禅 花衣
この世ばかりか 次の世までも
真実一彩(まことひといろ) 倖(しあわ)せ染(ぞ)めと
決めた恋さえ 唐錦(からにしき)

逢えば短い 逢わなきゃ長い
焦(じ)れて泪の 花衣
夢の中だけ 優しくされて
覚めりゃ冷たい 逆夢(さかゆめ)ばかり
綴(つづ)れ帯とく 春の宿

憎(にく)さ余って 二の腕噛(か)めば
赤く芽を吹く 花衣
当てがあるよで 噂で消える
所帯話を つないでみても
結ぶ実のない 褄(つま)模様
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