深夜徘徊

今宵は眠れやしないから
重力異常の街を歩こうか
酩酊
明日はちょっと早いけどさ
まあなんとかなるやと 街へ繰り出した
メーデー

深く眠ったマントルの
痺れ切らした扇動の
呪縛は現実を取り換えてゆく
それは図らざる慣性の
神話を孕んだ象徴の
ケ枯れの日をまた待ち侘びている

蒙味な 夜の世界はさ
取り留めのない 僕らの心を憶えている
ねえまだ明けないでいて
手放さないのならば
二度とは帰れない 深夜を徘徊

眠り覚ました恐怖の竜
爪あと残した感傷の
地縛は現実を蝕んでゆく
それは知られざる言外の
口を噤んだ抽象の
ケ枯れの始まりと知る由もないまま

蒙味な夜の気配にさ
ユラユラ揺れる 僕らは心奪われてく
ねえまだ気付けないの
名前も知らぬならば
今なお牙を剥く怪々

ああこんな世界をさ
言葉にできたならば 二度とはこわくない
それでも眠れない、
今宵は 深夜を徘徊
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