知床愛歌

逢えたその日に 仲間と呼ばれ
今朝は別れか フレペの滝の
岩に乙女の 涙も咲いて
うしろ髪ひく 知床岬

足を沈めた 満杯船(まんぱいぶね)が
波をけたてて ウトロへ帰る
今日の漁獲(えもの)を あの娘(こ)に贈る
海の男は しあわせ者よ

浜で囲んだ チャンチャン焼きの
熱い煙りは 契りの煙り
カニの甲羅で 地酒を汲めば
人の温もり こころに沁みる

白い流氷 カスリに染める
風は小粋な あのルシャおろし
さらば知床 またあう日まで
きみの情を 忘れるものか
きみの情を 忘れるものか
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