独妙風

賢い鴉が 独り黒い化粧い
待ちわびた この瞬間
千もの秋を 憎悪に養い
果たされるべき約束 目の前にした

傷に擦り込まれた 塩を甞めながら来た
孤独に彩られた 誇り

たちまち 跡形もなく消え失せる
敗けかたなど 教える漢が
此処にいると 知らずにいた

怯んだ憎悪 一度潰えれば
闘いの帰趨現れ
敗れた事実 深く沈み込み
息のできない仮面を砕き壊した

死に隣り合わせた 傷に擦り込む塩を
彼漢は持たずに 来たのだろう
その眼は 静かすぎる水さながら
敗けかたなど 教える漢が
此処にいると 知らずにいた

倒れた大地 やけにやわく触れる
充たされるべき空白 見上げるそこに
雨に洗われた 竹の林を抜け来た
風が微笑ってら

倒れた大地 やけにやわく触れる
充たされるべき空白 見上げるそこに
雨に洗われた 竹の林を抜け来た
風が微笑ってら
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