北上川

スナックのざわめきのその中で
コーヒーの香りなど かぎながら
なぜかしらおもい出す北上の
川風にゆれていた白い花
あれは去年の夏の日の
ひとり旅路の道すがら……
今はまた悲しみにふさぎこみ
旅人になりたいと思ってる

早口のおしゃべりのくせがつき
コーヒーもブラックが好きになり
楽しいと思う日がなくなって
北上のあの流れ思い出す
ちょうど去年の今頃も
こうした思いに泣いていた……
誰もみななぐさめてくれるような
あの川に逢いたいとふと思う
×