秘螢

長谷寺の あまた咲く
花の香りに 思慕(おもい)をよせて
見つめあい
笑みかわす 登廊

ねぇ君
いっそわたしの胸おしつぶし
くちびる盗んで
さらって行っては くれないか

日が落ちて 室生川
人の住む世に 未練のこして
螢火が
身を焦し 闇に舞う

ねぇ君
いっそ今夜は螢になって
忍んでおいでよ
鍵なら疾(と)うに あけてある

ホー ホー
ホタル コイ
ホー ホー
ホタル コイ
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