夏に靄

微かに残るあこがれに
まだ夢を見ていたいような

アイスキャンディーを頬張って
風に揺れる髪
少し焦る気持ち
あつくなって溶けちゃいそうな日は
日差しのせいにした
けどほんとはあなたのせいよ

ちらつく翳りは見ないように
そっとあなたに口づけした
過ごした夏はそれがもう最後だった

あの時の夏の匂いはもう
思い出せなくなってしまいそうなの
懐かしいくせに
抉るような
蝉の音と風鈴の音
恋焦がれているのは
私だけなのか

触れたと思った瞬間から
青くきらめくだけ
頭に靄がかかる
思い出して
探し回っちゃうけど
所詮思い出なのか
夢は夢のまま

気づけば大人になってた
変わらないものなんて無いけど
今でもあの夏にずっと囚われていたい

甘酸っぱい様な
青春だとか
ドラマチックな展開とか
どれとも違くて
言葉を尽くせば嘘になる

微かに残る

遠ざかるだけの
青い夏は
甘い記憶だけ残してく
懐かしいくせに
抉るような
蝉の音と風鈴の音
恋焦がれているのは
私だけなのか
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