手紙

僕は名無しのごんべい。
森が住処です。
突然の手紙で驚いてるかい?
長いこと一人で夢ばかり見てたよ。
一人の寂しさには、慣れてるつもり。

僕は名無しのごんべい。
折角だから僕の呼び名をどうか考えてみて。
先を研いだ小枝で大きめな木の葉に
切手代わりの夢で風にまかせて。

君が付けてくれるならどんな名前でも構わないから、
泣くことはないよ。
君が呼んでくれるならどんな名前でも構わないから、
お返事待っています。

お返事有難う大切に使うよ。
君から来た手紙も大事にするよ。

君がいつかこの手紙忘れたとしても構わないから、
泣くことはないよ。
君がいつか大人になるその時が来ても叶わないけど、
お返事待っています。
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