秒針を君がとめた某日 feat. 久保ユリカ

まあ聞いておくれよ 記憶は曖昧なんだけれど
あれは確かいつだったか
季節は春だったか夏だったか
雨は降っていたか 降っていなかったか
喉は乾いていたか 乾いていなかったか
一つだけ確かなことは
ただの ただのある日なんです

時間がとまったんだ 稚拙で凡庸な例えだけれど
なぜ なぜそうなったのか
気候気温はどうでもよくて
傘がいるかどうかも 興味わかなくて
際限無いはずの 欲求は消え失せて
確かなことは一つだけ
君が 君がいなくなったんです

ボタンをかけ違ったことは かけ違ってからしか気づけない
ほつれた心の糸を君は 必死に縫いあわせていたのに
好きだ なんてまやかしの言葉
それは それはただのあまやかし
悲劇で筆を置いたのは僕だった

どれだけスケジュール帳の予定を黒く塗りつぶしても
「夜が好き」と言った君の表情(かお) 夜むかえるたび思いだす
無理に綺麗事を一つだけ言わせてもらうならば
どうか僕のいない夜空の下 君は笑ってますように
どうやらまだ動きそうにない
秒針を君がとめた某日

Ah

沈黙は金なんて言葉は時代錯誤の結果論だ
泣いていた君を前に僕は 僕はなにも言えなかった
なにか なにか なんでもいいから
なにか なにかを言うべきだった
例え結果は同じだったとしても

どれだけスケジュール帳の予定を黒く塗りつぶしても
「空が好き」と言った君の声 空見上げるたび思いだす
無理に綺麗事を一つだけ言わせてもらうならば
どうか僕のいない空の下で君は歌ってますように
どうやらまだ動きそうにない---

ありがとさよならどうか元気で 言えやしなかった言葉達
無理な願い事をおそれずに言わせてもらうならば
君を想いながら歩いていくことを許してください
そして君のいない夜空の下 僕は笑えてますように
そろそろ動きだしてもいい?
秒針を君がとめた某日
×