窓辺にて

ほつれた糸をたぐって
空白を引き寄せる
それなのになお まとまらない

空席に陽があたって
静かに揺れる午後を
どうやりすごす

花はもうしおれて 枯れるのを待ってる
溶かしても 溶かしても
変わらないようだね
渦を覗き込むだけ

掴みかけた言葉も ほどけてゆく

花はもうしおれて 枯れるのを待ってる
追い越しても 追い越しても
まぼろしのようで
ぼくを待ってはくれない

花瓶の水は濁って
煙草の火も消えおちて
空白を迎えようにも
ひとりじゃ抱きしめられない
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