Natalie

長い映画の最後の安堵のように、ただ君はそこで待っていてよ。
くだらないことだとしても、君のいる街まで行こうと決めたんだよ。

術はもうなんでもいい。
君へたどり着けばいい。

海の冷たさを、
地平の虚ろさを、
君と知ってみたいだけ。

ため息より儚い光華をソーダ水の縁でにじませながら、
エチュードの日々を歩く君の明日を照らす歌を口ずさむよ。

誰も知らなくていい。
君に届くだけでいい。

空の深さすら、
夕日の赤さすら、
君をふちどりたいだけ。

綴る言葉を追い越すような速さで過ぎゆく、夏を彩る花を。

術はもうなんでもいい。
君へたどり着けばいい。

海の冷たさを、
地平の虚ろさを、
君と知ってみたいだけ。
君を知ってみたいだけ。
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