椿油とワンピース

僕の家の隣に住んでる
白髪のオバーの話です
オバーはたぶん、とってもオバーで
コンクリ瓦の家の裏

狭くてちっちゃい裏座の部屋に
一人ぼっちで住んでるよ

オバーは病気で目が見えないから
僕がお使い係です

マチヤー小でタバコを買って
駄賃はいつも50円

母ちゃん、何でオバーは
お目目が見えないのって聞いたらね
オバーは昔、お目目も見えて
それはキレイなお嫁さん

だけど昔、戦争あって
オバーの家族は死んだって

オバーは泣いて毎日泣いて
お目目が見えなくなったって

僕はちょっぴり悲しくなって
抱っこされて泣きました
母ちゃん、僕はオバーのお使い
明日からも頑張るよ

冬の朝、オバーの家に
白黒布が掛けられて
近所のみんな 黒い服着て
ぞろぞろぞろぞろ
集まるよ

「オバーは天国いったんだよ」って
母ちゃん泣いて教えたよ
オバーの部屋には写真があって
自分で用意してたって

前にオバーは言ってたよ
「死ぬのはぜんぜん怖くない
死んだ父ちゃん、赤ちゃんに
天国行ったら会えるから」

僕は少し嬉しくなって
お目目に涙があふれたよ
バイバイ、オバー
天国行って、やっとみんなに逢えるよね

バイバイ、オバー タバコの匂い
椿油とワンピース

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