メテオ蜃気楼

ちょっと落ちそうなメテオは漫然と頭の上
歪んだ傘を回して雨に溶け込んだ
おとなしい帰路で
新しくなるたびに
かすかなものは増えていくようだな
見落とされたいくつかの腕で
視界を縁取って

また触ってみたい ね
街は時化って手癖の夢
目覚ましも聴き慣れちゃってる ね
記憶をなぞっている間に全て
古びてしまうよ
なんて ね

明るいうちは帰りたくない
ドア閉じ傷だらけの床に寝転がって眠る
隣で震えるゼリーと僕の骨の先っぽ
どこまで見えてる?
何気ない妖怪でいるなら
ぼくらには何も意味はないな
目玉の模様の羽を脱いで
道端でアイスを買い込んで

また遊んでみたい ね
街を抜け 蜃気楼を抜け
目覚ましの前に目覚めちゃう ね
五感を増やして奇妙な場所へ
行き着いてみたいよ
なんて ね

何気ない妖怪でいるなら
ぼくらには何の意味はないな
目玉の模様の羽を脱いで
道端でアイスを買い込んで
この先もずっと
ウインクもできないままでいれたなら
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