ガーベラの丘

ある日 冒険に旅立った鳥が
時間の森にはぐれた
雲の切れ間に手を伸ばして
落ちる涙の冷たさ

迫る真実はあまりに過酷で
高鳴る胸を弄ぶ様

祈るように小さな声で呟く
「受けた屈辱を忘却の遥か彼方へ」
なぜ欲しいもののために傷つき
なぜ見えないものなど追うのか?

紅いガーベラの丘 光る優しく
今は幻 儚く 夜を彷徨う

旅立った頃には太陽も高く
見るものすべて信じた
誰にも秘密で何を思う
それは遠くせつなくて

虚ろな心 尽きるその時を
闇は待っている息を潜めて

翼の傷 覗けば 母が囁く
「この先もきっと何かが待っているでしょう」
ただ夜は身体 震わすけど
怖いのは感じなくなること

紅いガーベラの丘 地を深く染める
夢は夢の様 儚く 夜を彷徨う

なぜ見えないものなど追うのか?

紅いガーベラの丘 光る優しく
今は幻 儚く 夜を彷徨う
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