遺構

大変だ
定員が溢れてたわむ空
見えた全て教えたくなった
(形ばかりで騒がしい…)

「ねえ、この窓で海は見れるかな?」
「どうだろう…」
そこで切れてしまった
遠い波のね、さざめいた

君が笑うと
この部屋はもう明るい
それでいい
さようなら
新しい名前をそっと湛える

『なんで?忘れないで?』
映らない海は溢れ出してる
『消えていった君は装丁じゃない』
『誰…?』
『幽霊さ』
(散々途切れてる…)
『君を誰が決められるの?』

随分前閉め切った窓に映るのは僕だ
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