ラジオのように

窓の外を眺めながら
夜の椅子に腰掛けてた
海に浮かぶ 小島のように

わたしの名をささやくのは
もう 声だけになった人
顔も過去も消えてしまった いつか

ラジオのように時は流れ
いつの間にか わたしは
身をまかせていた
絶望も 希望も
受け止めて 捨て去って
自分さえ失くしてた

FMから流れてくる
好きな歌のリフレインを
路線バスが かき消して行く

暗闇では なにもかもが
暖かくて 心地いい
悲しみさえ古い友達 いつか

ラジオのように時は流れ
うつむいた わたしなど
通り過ぎてゆく
抱きしめた あなたは
絵の中の 面影
体温も感じない

新しい幻想(まぼろし)を 二人見つける日が
いつか来るわ きっと

ラジオのように時は流れ
わたしを通り過ぎてゆくわ
ラジオのように時は流れ
戻らない愛を嘆いてる
ラジオのように
ラジオのように
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