釡山の風に吹かれて

「おばあちゃん、空から、見えちょる?」

釡山の風に吹かれて
あなたを想います
遥か昔に 暮らした町
空から見えますか…

人びとが行き交う停車場
お茶を飲んだ茶房(タバン)
思い出ばなし たどるけど
今はもう幻

どんなに遠くに 離れても
逢えない時間が 永くても

釡山の風に吹かれて
あなたを想います
僕の名を呼ぶ
やさしいあの声を

海雲台(ヘウンデ) の海の向こうに
ふるさとがあります
ふたつの言葉 話していた
あなたが愛おしい

ラジオから流れる「イビョル(離別)」
いつも見せた涙
口ずさんでた 横顔を
忘れはしないでしょう

恩返しひとつも 出来なくて
感謝のきもちも 言えなくて

釡山の風に吹かれて
あなたを想います
伝えそびれた
ありがとうをそっと…

どんなに遠くに 離れても
逢えない時間が 永くても

釡山の風に吹かれて
あなたを想います
僕の名を呼ぶ
やさしいあの声を

釡山の風に 釡山の風に吹かれて
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