さすらい雲

空を見上げて 聞いてみた
雲よおまえは 何処へ行く
生まれ在所(ざいしょ)で 待ちわびる
ひとりぼっちの おふくろに
届けておくれよ 詫(わ)び便り

照る日曇る日 浮かぶのは
かわず鳴く声 日暮れ径(みち)
肩の震えを 抱き寄せて
別れ惜しんだ 雨の駅舎(えき)
どうしているのか 倖せか

根なし明日なし さすらいの
馬鹿を承知(しょうち)の 裏通り
無沙汰(ぶさた)三年 いたずらに
春夏秋冬(しゅんかしゅうとう) 見送れば
帰って来いよと 夜半(よわ)の風
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