クレイ

クレイ色のビルディングがオレンジに照らされて、
一様に愛想がない。
僕は昨晩は、労働に勤しんで。
薄給にすがりつけ。

意味を見出しちゃダメなの?
息を止めちゃダメだよ。
意味を見出しちゃダメなの?
息を止めちゃダメだよ。
頼むよ。

クレイ色のビルディングは東方へ消えてゆく。
各駅の速度すら、もうすでに追いつけない。
定期券の期限切れ、切符買って損をした。
540、他愛もないさ。
そういえばお腹が空いてた。

意味を見出しちゃダメなの?
息を止めちゃダメだよ。
意味を見出しちゃダメなの?
息を止めちゃダメだよ。

ほら朝が、平等に眠たい瞼を押し上げる。
まだ幼い優しさじゃ、愛しい君が一番憎らしい。
それじゃあ世界、おやすみ。
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