れ・く・い・え・夢

嘘も真実(ほんと)も 見えないままに
若さに酔いつぶれ
うつら・うつらと揺れて ゆりかご
――帰らぬむかし
流れてひとつ はしゃいでひとつ
なくしたものと 手にしたものと
つなぎ合わせてみる
淋しさついでの夜更け
最終便にこぼれた乗客(きゃく)へ
とどくのは……寒さ

長いトンネル 超えてはよせる
いたみを押し戻し
馬鹿につらいと うらみごとなど
――うしろへ投げる
あいつもひとり 俺もひとり
うまれて生きて それが結果(こたえ)か
誰もがそれなりに
力つき傷を抱いて
涙にまけて ひっそりたたむ
“夢”という翼

はるかに昨日(きのう) まさぐる明日(あした)
ほろにがい……煙草
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