頬にひと口

頬にひと口 ふわり抜けた風
疼めいてた焦げが
舞い上がり散ってく
ゆだねる湯気の中へ
言葉じゃなくても
忘れないでいられる
覚え書き程度のレシピすら
浮かぶ笑顔のためよ

帰る頃に気づく日も
思いつきでポっと話してくればいい
なかったことにできなくても
おいしい明日を一緒に煮込んでおこうよ

頬と目を擦って つかむ吊り革
好きで続けてるのか
ここにしか 居場所が
ない不安と揺られて
言葉じゃ話をしたくない夜がくる
目が合い くだらないと笑って
茹でた泡と踊るの

答えなんていらないから
いつかの話を聞いてほしい気分
大丈夫と笑えないかも
お言葉に甘えて今夜のうちに煮込もう

帰る頃に気づく日も
思いつきでポっと話してくればいい
なかったことにできなくても
おいしい明日を一緒に煮込んでおこうよ
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