潮風

海辺を歩けば絡まる髪の毛
皺寄せでもう話もできやしない
目を擦ってわざと見ない振りをした
顔を背けるのも面倒になったよ

去ったままの指先に 呪いをかけておいたの
どんな色もわたしの名前になるように

落ちた光が滲んで消えた
帰らなくちゃもう夜が重すぎるから
何度も揺らいで消えた 煙のように
壊れてしまえ ふたりを潰す前に
そうさ忘れられるような 愛ならばいらなかった
最後の最後の最後に 振り向いちゃいけなかった

重ねては捨てて 離しては泣いて
嘘ばかりついて 壊してしまったね
あなたとならば 生きてゆけるなんて
ほんとにごめんね ごめんね

さよなら淡い風 だめになりそうな夜を飲み込んで
いつかはきっと元に戻る

今夜の月がひどく明るくて
本物だけをいまふたり見ている
二度と寂しくなんてならないように
呪いをかけよう さよならかわいいひと
そうさ忘れられるような 愛ならばいらなかった
手紙なんてくれないで 何も言わず去ってくれ
×