つみのうぶごえ

はじまるその時
僕らが泣く理由を
瓦礫の窓辺に
揺れる花は歌った

生きることは奪うことで
滅びこそが命だから
もし心が痛むのなら
心こそが僕らの罪

《wu ji sci wo so wu ji sci uso》
《we te chu so we te ka to so》

けものたちよ征け
この荒野の果て
何が待つの
分からずに
それでも歩こう
灰に帰る日まで

右手に握るは
錆びた鈍い鉄(くろがね)
左手抱(いだ)いた
小さきものを守ると

ならば僕は奪うことを
ただ一瞬(ひととき)も迷わない
もし心が痛むのなら
心こそが僕らの罪

こどもたちよ泣け
生まれてきたこと
悲しくても
抗って
この地平を征け
声を上げて

無垢な種
芽吹かせる水は
誰かの血で
花びらよ
鮮やかに染まれ
罪の赤に

地に満ちよ
古き声のまま
けものたちよ
傷つけて傷ついて
進め
灰に帰る日まで

はじまるその時
僕らが泣くかわりに
滅びのその日に
僕らはそう、笑おう
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